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【  2013年04月  】 更新履歴 

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  04.09.  【 短編集 】  春の結晶   さわりを読む▼
  04.15.  【 サニーサイドアップ 】  サニーサイドアップ - 1   さわりを読む▼
  04.18.  【 サニーサイドアップ 】  サニーサイドアップ - 2   さわりを読む▼
  04.25.  【 サニーサイドアップ 】  サニーサイドアップ - 3   さわりを読む▼


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春の結晶

短編集

  あなたは春ではありません。 例えば桜。ある日突然、何万という花が虚空に生まれ出るのです。小さな花びらが南風に揺れながら、どこまで深く分け入っても消えることのない密度で空を埋め尽くしています。 それは春で作ったジャムみたい。太陽の明るさでじわりじわりと身を浸して、とろとろの溶岩みたいにぐらぐら煮え立っています。 透かして見ると、それは苺よりも鮮やかに、りんごよりも艶やかに、きらきらと春の始まりの朝...全文を読む


サニーサイドアップ - 1

サニーサイドアップ

  その日は朝からものすごい暖かさだった。日本じゅうの春を土の上からこんこん叩いて起こして回ったみたいに賑やかな冬の最終端だった。 いつもよりも早く起きてしまったのは、朝の光が眩しかったから。冬の最後の破片みたいに透明なクリスタルガラスの輝きをもって、カーテンの隙間からこぼれ落ちていた。いちごの果汁が砂糖のほうへ染み出してくるような浸透圧で、暗い部屋の中にじわじわと始まりの予感が充満しつつあった。あ...全文を読む


サニーサイドアップ - 2

サニーサイドアップ

  動物園は、坂をずっと登っていった先にある。見上げた坂のその上には太陽が輝きを増しながらぐるぐると自転するように熱をあちらこちらに散らしていて眩しい。家族連れに紛れながら坂を登っていくあなたを、手で直射日光を避けながら半歩後ろから眺める。 あなたの歩幅はとても大きいから、遅れないようにと急ぎ足になる。その背中は一心に上を目指しているようで、太陽に向かって歩いて行くように見えた。「もう少しゆっくり歩...全文を読む


サニーサイドアップ - 3

サニーサイドアップ

  この動物園はあまりに狭いから、動物たちは見慣れたころに他の動物園に引き取られていってしまうということがよくある。保護した動物なら怪我が治ったり、生まれた子供は大きくなったり。 例えばライオン。あなたと初めてこの動物園に来たころに生まれた赤ちゃんは、大きくなりすぎて住む場所が手狭になってしまった。だからもっと大きな動物園に連れられて行ってしまうのだと立て看板に書いてあった。 確かに狭そうだった。自...全文を読む

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